居心地のよい体操

私がフィットネスクラブで運動指導をしていた時のこと。その会社の本社スタッフと思われる方が、私が指導する運動プログラムに突然参加してくださることになった。

 

全国の自社施設を回り、施設や運動プログラムの様子・雰囲気確認をされているそうだ。それがたまたま私の担当するプログラム時間と重なったようだ。ラッキーなのか、アンラッキーなのかよく分からない。笑

 

深い意味はないにせよ、遠方から来られせっかく私のレッスンに参加してくださったのだからと、フィードバックをお願いしたところ、思いもよらぬ返答だった。

 

それが「居心地がよいクラスですね。」だった。

 


居心地のよい運動とは何か?

「居心地がよい運動とは何か?」

 

それがよくわからなかったが、私がぼんやり目指していたものを言葉で表現すると、「居心地が良い運動」なのではないかと思い、理由も聞かず嬉しい気持ちになっていた。

 

その方によると「しっかり動きたい方は動けるし、緩く動きたい方や慣れない方でも必死にならなくてもついていける。誰も浮かない構成と進め方になっているから、みんな満足がして帰れる。」ということだった。

 

あれから数年経つが、

高齢者向け運動指導の大切なことの1つが、「居心地の良い運動になっているか」ということではないかと思っている。

高齢者が体操をする目的は千差万別

居心地の良さとは、良い仲間に囲まれているとか、環境が良いことを指すこともあるが、体操の仕方1つで、居心地の良さは変わってくると考えている。

 

ご高齢の方が体操をする目的は、いわゆる身体を動かしたい、鍛えたいというばかりではない。体操をしたくはないけど、やらねばならない方。

 

例えば家族や支援者からのススメで参加されていたり、お友達に会いたくて来ただけなのに、体操も付いていたということもある。それぞれに集う理由も、体操参加をする目的もモチベーションも違うことが多い。

 

そういった方々を1人残らず「今日の体操はよかった。来てよかった。また来ます。」と言って帰ってもらわなければならない。

 

それは大変工夫が必要で難しいことではあるが、それができてこそでもある。


体操の彩りを変えていくこと

私が体操指導をする時に大切にしていることは「居心地がよい運動」を提供することである。

 

飛び切り難しい知識を持ち合わせているわけではないが、その体操の作り方、伝え方にはコツがある。

 

そのコツとは、文章に書くのは難しいが、目新しい体操というよりは、今みなさんが行っている体操にラテラル・面・リズム・上肢下肢・組み合わせなど、少し彩りを変えることのように感じている。

 

慣れるまではちょっと難しいかもしれないが、自身が工夫したことにより、「居心地のよい体操」になり多くの方に喜んでもらえることは大変うれしいことでもある。

 

高齢者向け運動制作・指導法講座では、そのようなことをお伝えする。巷には少ないちょっと変わった講座である。興味のある方はちょっとのぞきに来てほしい。そして、一緒に「居心地のよい体操」というものを共感してほしい。